少し不思議。

おかげさまで、このごろは公私ともに、と書いて日々の暮らしに「公」の部分はほとんどないと気づき、私私のみ忙しく、と書き換えてみたり。して、自分でも全く意味わからないけど、きっと疲れてるからだよね。最近はムスコ寝かしつけながら自分が先に寝落ちしてしまうこともしばしば。で、読書もあまりできていませんが、珍しくムスコが早く寝付いたので、昨夜積読にしておいた元祖あまちゃんこと天久聖一のはじめての小説「少し不思議。」を一気読みしました。
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20年来の愛読雑誌TV BROSの中で、天久さんの「トイレ、その後に・・・」とその前の連載「寺門ジモン自答!」は好きなコラムのベスト3に入るのですが(あとの2つは松尾スズキとダミー&オスカー)、2週間に1度だけあっという間に読み終わるその連載が3時間ぶっ通しで続く快感はなかなか得難い経験でした。少しというかだいぶ不思議でちょっと怖くてとても面白く、特に後半の怒涛の展開にはぶったまげました。

藤子・F・不二雄の提唱する「SF」からタイトルの「少し不思議。」を拝借しているように、いろいろな作品や人物へのオマージュが多数ありそれも楽しめることや、後半の3.11以降の世界を描いたパートはドラマ「あまちゃん」ともリンクしているような気もします。ご本人もTV BROSで「どこまで便乗できるかが勝負だと思っております」と書いていたので、便乗ででもたくさん売れればいいな。コチラ天久さんのインタビュー。ネタバレというか核心に触れる部分があるので未読の方にはおすすめしませんが、読んだあとだとかなりグッと来るものがありますので合わせてどうぞ。

作者の天久さんもそうですが、帯のコメントは松尾スズキとピエール瀧と大根仁で、それ見てもう自分は一生TV BROSの呪縛からは逃れられないのかな、と逆に感慨深いものがありました。

あと、最後にちょっと話はそれますが、「サブカル」って言葉について。発行元の文藝春秋のHPでも「サブカル界で人気を誇る漫画家」と書いてありますが、「サブカル」ってホントなんなんでしょうね、考えれば考えるほどわからなくなります。僕も自分から「サブ」って名乗ったことはないのですが、先日熊本のある本屋さんのサブカル・コーナーに「ビッグダディの流儀」と「ハダカの美奈子」が並んでいたのを見て、「それはサブカルじゃないだろ!」と心の中で怒声を浴びせてしまい、その時にオレやっぱりサブカルかも、という自覚が生まれました。

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