昨日で「あまちゃん」が残念ながら終わってしまいました。この半年の間、店頭や飲みの席で「あまハラ」してしまった人にはこの場を借りてお詫びを。でもまだまだ話し足りないので、話し相手は引き続き募集しております。
「あまちゃん」は80年代の音楽やカルチャーを小ネタとして盛り込んで大ヒットしましたが、同じように90年代の音楽やカルチャーを盛り込んでいる小説が川崎大助氏の「東京フールズゴールド」。まずタイトルが最高で即買いしましたが、ストーリーも面白く500ページ越えの分厚い小説をあっという間に読んでしまいました。
ネタバレするといけないので詳しくは書けませんが、「アル中でヤク中、自己破産寸前――元ロックスターにして人生崖っぷちの男が大手レコード会社を相手に目論んだ一大詐欺!」というストーリーで、作者ならではの音楽ネタがいたるところに登場します。以前コチラのブログでも書いたように「米国音楽」の編集長なので音楽に精通しているのは当然ですが、ポップミュージックの使い方が本当に上手いんですよね。でも、「あまちゃん」と同じく、その音楽ネタを知らなくてもストーリーだけでも十分楽しめるので、90年代に青春時代を過ごした人にはもちろん、何かオモロい小説ないかなと探している人にもおすすめします。ドラッグや暴力など過激な描写も多いのですが、何故か気持ちよく読み通せるので、僕はこの小説を「渋谷系meets戸梶圭太」と呼んでいます。
同じく90年代のカルチャーをネタにしてとても話題になっている渋谷直角氏のマンガ「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」とは裏表のような小説だと(でも、どちらが表でどちらが裏なんだろ?)感じました。僕は90年代をもろに通過してきているので、どちらも楽しめましたが、救いがある分「東京フールズゴールド」のほうが好きです。
あ、あと僕の大好きなコミックが重要な小道具として出てきたのも嬉しかったなぁ。